この季節になると、高山市内に何か所かあるオウレンの群生地をめぐります。
まだ空気の冷たい時期の、薄暗い林床や神社の境内に、赤い茎の白い花が群生する姿は凛としてとても美しく、大好きな花。
近寄ってよく見ると、踊るような雄しべ!さらに目を凝らすと白一色ではなく、雌しべの部分にはいろんな色があったりします。
この可憐な姿にあわせて、根っこが薬草にもなるということで、人工林の林床で栽培するのが流行った時代もあったのだそうです。
私の友人が幼少期、おばあちゃんに「オウレン売れたらお菓子買ってあげるからね」と言われたのを思い出したと聞かせてくれました。
日本中の杉林が、今よりもっと手入れがゆき届いて健康で、適度に日のさしこむ林床にオウレンの花が咲き誇る。孫が喜ぶ姿を想いながら目を細めるおばあちゃんの姿とも重なって、あったかい気持ちにさせてくれるエピソードです。
今年も見られてよかったな〜。ここがずっとオウレンの咲く森でありますように。