森と人と木をつなぐ
『森とひとと木』代表の臼田陽子です。
森林浴や木育を通じて、森と人とのつながりを育む活動をしています。
その根底には、自然との関わりの中で得た気づきや、幼少期の原体験が息づいています。

幼い頃の思い出の中で、森は遊び場であり、癒しの場であり、誰もが笑顔になれる場所でした。
今思えば、森は私にとって、ただの自然ではなく、いつも胸に寄り添い、静かに支えてくれる存在だったように思います。
特にそれを強く実感したのは、初めての子育てに戸惑い、心が折れそうだった時期のことです。
結婚を機に飛騨へ移り住み、知り合いもほとんどいない中で始まった子育ては、想像以上に孤独でした。
そんなときふと心に浮かんだのが、幼い頃に家族と森で過ごした穏やかな時間でした。
「あの場所にもう一度還りたい」と、森を訪ねたその日、私は大切な何かを取り戻したのです。

木々のざわめき、こもれび、土の香り……
ふっと肩の力が抜けて、心が緩みました。
森がそっと背中を押してくれるように思えました。
この原体験が、今の私の活動の原点です。
「森に癒やされることで、人が元気になる。
人が森に関心を持つことで、森も、森に関わる地域も元気になる。」
私は、そんな未来を信じて『森とひとと木』を立ち上げました。
これからも自分らしい方法で、『森と人と木を』つなぎます。

つながりの場づくり
森とひとと木の活動は大きく3つ。
子どもから大人まで、さまざまな世代や立場の人に、様々な手法をもって、森や木とのつながりの場を提供しています。
森林浴
日常の中で閉じている五感を開くアプローチで、森と対話していただきます。
静かに立ち止まり、風の香りや光のゆらぎに意識を向ける
森が与えてくれる穏やかなひとときが、心と身体を整え、誰しもの内側にある自然とのつながりを、自分のペースで取り戻していく。
その過程に寄り添います。


木育
木や森に親しむ体験を通して、自然への愛着や、森に育まれてきたこの地域の文化への関心を育てたいと考えています。
木のおもちゃに触れる親子向けのプログラムや、森を伝えるワークショップなどを通じて、「木とともに生きる暮らし」の豊かさを伝えています。
そして、私たちと自然との関わり方が、未来の森を形づくるという意識を育むことを目指しています。
自然体験活動
自然の中での小さな発見、誰かの心がふと動く瞬間を見逃さず、そっと寄り添える存在でありたいと思っています。
そのために私自身も感性を磨き、いつまでもセンス・オブ・ワンダーを失わない自分でありたいと思っています。
体験を通じて、自然の営みやそこに生きるものたちへの優しいまなざしが育まれることを目指しています。

森で健康 森も健康
これらの活動は、この地で暮らす人たちとの関係性のなかで、少しずつ育んできました。
森のある地域が元気であること、森に関わる人がいきいきと暮らしていること。
その実現のために、私は地域の方々とつながり、共にこの土地の未来を考えていきます。
木や森を単なる「資源」として扱うのではなく、「共に生きる存在」として尊重し、
その価値を次の世代へと受け渡していきたいと考えています。
モットーは『森で健康 森も健康』です。

訪れる人にとっては「帰ることのできる優しい森」に。
地域の人にとっては「暮らしとつながる誇り高き森」に。
そして、未来に「受け継がれていく希望の森」へと——。
『森とひとと木』はこれからも、必要とする方のそばに寄り添いながら、
森と人と木との関係性を、ていねいに紡ぎます。